日本に長く住んでいると、永住すべきか母国に帰るべきか決める時がきます。
日本の文化や安全面を考えて永住権を取得しようという方は参考にしてください。
永住者とは
「永住者」は、既に日本に住んでいて一定の条件を満たした場合に与えられる在留資格です。
特徴は在留期間や就労についての制限がなくなることです。
他の在留資格に比べると生活面での制約が格段に少なくなります。
在留資格「永住者」を取得した場合のメリット
◇在留期限の更新手続きが不要になる
在留期限がなくなりますので更新の手続きが不要になります。
◇社会的信用が上がる
生活していく上で出来ることや選択肢が増えます。将来住宅ローンを組む場合や融資を受ける際もプラスに働きます。
◇配偶者と離婚や死別をしてもビザの心配が不要になる
「日本人の配偶者等」の場合、配偶者と離婚や死別したならどうなるでしょうか?
この場合、配偶者として活動が出来なくなってしまい「日本人の配偶者」の資格が維持できなくなります。
資格を維持する方法に、新たな配偶者を見つけて結婚することが挙げられます。
人が出会って結婚する過程を考えると、短期間で新たに結婚まで至るのは難しいように思えます。
それ以外の手段は、新たに在留資格を取得することが考えられます。この場合、新規取得のための一定の要件が満たされて実現が可能になります。万人がその要件に当てはまるとは限りません。
結果として、不本意ながら母国に帰国せざるを得なかったり、場合によっては不法滞在になることも起こり得ます。
◇国籍は変わらない
ご自分の母国の国籍はそのまま変わりません。日本国籍を取得する帰化とは違います。
永住権を失うとき
念願かなって永住権を取得した場合も覚えておきたい点があります。
それはあくまでも在留資格制度のもとに日本に在留している事実です。
在留資格制度のもとにあるとは、すなわち一定のきっかけで将来取り消され得る可能性を意味します。
本人が思ってもいない理由で、退去強制(強制送還)の対象にもなり得る点は重要です。
以下、在留資格を失う場合の例を挙げてみました。
ア 永住許可を申請する際、虚偽の書類を作成するなどして、不正な手段を使って在留資格を取得したことが発覚した場合
イ 外国人に求められている届出の義務を果たしていない場合
3ヶ月以上日本に滞在するなら居住地の届出義務が発生します。
引っ越し後に届出はしたものの嘘の住所を届け出た場合も発覚したら問題になります。
うっかり90日以上届け出そのものをしていない場合事態はより悪化します。こうなると在留資格の取消し対象になり得ます。
ウ 再入国許可を受けて出国し5年を超えてしまった場合
出国する際、再入国許可を得てから出発したが期間内に帰国しなかった場合は取消し対象です。
有効期間の5年(特別永住者は6年)以内に日本に帰国する必要があります。
エ みなし再入国許可を受けて出国し1年を超えてしまった場合
みなし再入国許可を取得して出発し期間内に帰国しなかった場合取消し対象です。
1年以内に帰国しない場合、永住資格を失います。
オ 刑法に定める犯罪に加担して禁錮や懲役になった場合
麻薬、覚醒剤など薬物関連の犯罪や売春関係の罪を犯し刑罰を受けた場合は取消し対象です。
永住の条件
永久権を取得するためには以下のような条件があります。
①素行が善良であること
法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。
②独立の生計を営むに足りる資産または技能を有していること
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産または技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。
③その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(技能実習および特定技能1号を除く)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出の義務)を適正に履行していること。
ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施工規則別表第2に規定されている最長の在留期間を持って在留していること。
エ 公衆衛生の観点から有害となるおそれがないこと
永住が認められる条件の中に原則10年以上の在留が定められていますが、例外として日本人や、永住者の配偶者の在留資格で日本に滞在している場合や、定住者の在留資格をお持ちの場合には、10年の期間が不要なケースもあります。
https://vamonos-law-office.com/定住者ビザから永住申請/
https://vamonos-law-office.com/日本人の配偶者等から永住申請/
すぐに手続きをしたいということでなくても、相談だけ先にすることも可能です。
永住について判断に迷っている場合にはお気軽に声をかけていただければと思います。