今回取り上げる短期滞在ビザは、観光や親族や友人訪問に用いられたり、短期商用で来日する際に利用されます。
この短期滞在ビザは観光ビザとも言われていて、そちらの方が馴染みがあるかもしれません。
しかし、馴染みはあるけれどもどうやって取得するのかはっきりしない部分もあります。
ということで、今回は短期滞在ビザについて解説していきたいと思います。
1 ビザが必要な国と必要でない国がある
①まずは自分の国がビザ免除国かそうでないのかの確認しましょう。
このビザ免除国に該当しなければ事前にビザ申請が必要になります。
その必要がある国としては中国やロシア、フィリピン、ベトナムなどが挙げられます。
ビザ免除国
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/tanki/novisa.html
上のビザ免許国をチェックしていただき、該当していれば事前に申請は不要です。
その場合は空港で上陸審査の際に短期滞在ビザが許可されます。
②パスポートの種類によって注意が必要な場合があります。
それは、パスポートがICAO標準で定められている機械読取式のパスポートでない場合です。この機械読み取りできないパスポートの場合、自然と審査は厳格にならざるを得ません。お手持ちのパスポートがIC旅券か確認しましょう。
ICAO(International Civil Aviation Organization:国際民間航空機関)標準で定められているIC旅券とは、個人情報及び旅券の顔写真を含む生体情報等の旅券データが記録されているICチップが搭載されている旅券のことです。
これは一定仕方がないことですが、頻繁に出入国を繰り返している方は不法就労を疑われることもあるようです。
結果として、ビザ免除国のパスポートでも入国回数が多ければ事情が違ってくると言えます。
2 滞在中にお金を稼ぐ仕事はできない
この短期滞在ビザは、滞在中に仕事をしてお金を稼ぐことはできません。
ビザを取得する目的は大きく分けて以下の3つになります。
いずれも日本で就労して報酬を得ることは許されていません。
①観光目的(観光ビザ)
これは観光で日本に来るのに取得するケースです。本国で旅行会社に相談して手続きをしてください。
②親族知人訪問(親族訪問ビザ)
これは日本に住む友達や親類を訪問するためのビザです。
出産時の育児サポートで本国からお母さんを呼ぶなどの利用方法もあります。
③商用目的(短期商用ビザ)
日本に出張の際に給与が発生する場合は、所属する外国企業が費用を負担する必要があります。
具体的な活動をいくつか記載します。
・工場などの見学、視察等の目的の滞在
・教育機関や企業等の行う講習、説明会への参加
・報酬を受けずに外国の大学生等が学業の一環として日本の会社などで受け入れられて行う90日以内の活動(インターンシップ)
・日本に出張して行う業務連絡、商談、契約調印、アフターサービス、宣伝、市場調査、その他の短期商用
・会議その他会合への参加
3 申請は海外にある在外公館で自分で行う
申請手続きは本国にある在外公館(日本大使館や領事館)で自分で行います。
他の在留資格と違い日本国内で交付申請できないのが短期滞在ビザです。
自分で申請準備から取得まで完結するケースは問題ないでしょう。
一方で、外国人本人だけで完結しないのが日本から招聘するケースになります。
その場合、滞在予定表や招へい理由書を日本側で用意して郵送します。
理由書などに加えて、一部の国については在日身元保証人の書類が必要な場合もあります。
結果的に、外国人本人が用意する書類と、招へいする側の書類が両方揃った時点で申請が可能になります。
4 期間は「15日」「30日」「90日」
ご自分の滞在目的に合わせた日数を選択します。
大使館などの在外公館に申請した後1〜2週間で審査が完了するはずです。
それから連絡がきたら自ら受け取りに出向く流れです。
残念ながら不許可になった場合は仕切り直しですが、その際は条件がつきます。
一旦不許可が出ると、向こう6ヶ月間は同じ内容で申請をすることができなくなります。
結論としては、事前準備が大切と言えそうです。
5 ビザ取得後は一定期間内に使用する
さて、申請から取得まで滞りなくできました。
せっかく取得したのに期限を超過してしまうのは避けたいことです。
もしもそうなると最初から手続のやり直しになります。
是非、有効期限を意識してビザ発給日の翌日から起算して3ヶ月以内に入国をしてください。
仮に取得したビザの期間が30日ならば、入国の翌日から起算して30日間滞在することが可能です。
6 短期滞在ビザは延長ができない
短期滞在ビザは原則延長が出来ないことになっています。
つまり、単純にもう少し滞在したいという希望はこのビザでは叶わないということです。
一方でいわゆる例外もまた存在します。
それは、人道上の真にやむを得ない事情が発生した場合です。その場合は延長が認められる可能性があります。
一例として、急な病気などにかかってしまい緊急手術の他に選択肢がない場合などはこれにあたるでしょう。